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iAsIII)として存在します)のLD50は34.5 mg/kg、一方で有機ヒ素化合物であるアルセノベタインは10 g/kg以上の経口投与群でも死亡がみられませんでした。1983年にVahterらは、ヒトにおいて投与されたアルセノベタインの大部分が48時間以内に尿中に排泄されることを報告しています。しかし、有機ヒ素化合物であるアルセノシュガーの毒性や体内動態に関する情報は、無機ヒ素化合物に比べて限られています。2005年に報告されたRamlらの研究によると、アルセノシュガー(oxo-Gly)(図1アルセノシュガー骨格中のR1がOH、R2がOCH2CH(OH)CH2OH)をヒトに経口投与した場合、投与したヒ素の81%が尿中に排泄され、少なくとも12種類のヒ素代謝物が検出されました。細胞を用いたアルセノシュガー(oxo-Gly)の毒性試験はいくつか報告があり、いずれも無機ヒ素化合物より毒性が低いことが報告されていますが、アルセノシュガーは異なる側鎖を持った化学種が存在するため、それらの毒性や体内動態など不明な点が多く残されています。 図1 自然界および生体内に存在するヒ素化合物の例示  飲料水には主に無機ヒ素化合物が含まれています。生体内に摂取された無機ヒ素化合物はメチル化代謝されて、主として有機ヒ素化合物である5価のジメチルアルシン酸(DMAV)やモノメチルアルソン酸(MMAV)として尿中に排泄されます。米国国立労働安全衛生研究所が1976年に公表したラットを用いた毒性試験では経口投与でiAsIIIではLD50が41 mg/kg、MMAVでは790 mg/kg、DMAVでは2,600 mg/kgとなっています。このように、尿中に排泄されるMMAVやDMAVの毒性がiAsIIIよりも低いことから、メチル化はヒ素の解毒機構であると考えられてきました。ところが、代謝の過程で生成する有機ヒ素化合物のモノメチルアルソナス酸(MMAIII)やジメチルアルシナス酸(DMAIII)の毒性がiAsIIIよりも高いことが報告されたことから、近年、メチル化代謝はむしろ代謝活性化機構であると考えられるようになってきました。また、ヒ素汚染地域の住民の尿からはジメチルモノチオアルシン酸(DMMTAV)などの含硫ヒ素化合物が検出され、DMMTAVは5価の有機ヒ素化合物でありながら、無機ヒ素化合物よりも毒性が高いことが報告されています。この他にも、動物実験の結果から有機ヒ素化合物である3価ヒ素化合物-グルタチオン抱合体が胆汁中に排泄されることが明らかとなっています。このように、高性能の分析機器の開発や分析技術の進歩から無機ヒ素化合物の代謝過程において、生体内で様々な中間代謝物が生成することがわかってきました。  ヒ素の毒性はヒ素化合物の化学形態に依存することから、ヒ素による生体への影響を評価する上で、ヒ素の濃度だけでなく、化学形態も明らかにすることが重要となります。この目的に用いられるのが元素の化学形態別分析と言われる手法です。ヒ素の化学形態別分析には、高速液体クロマトグラムで試料中のヒ素化合物を分離し、元素を特異的にまた高感度に検出できる誘導結合プラズマ質量分析計に直接導入する手法が最も汎用性が高い分離・検出手段として使用されています。一方で、この手法は元素特異的に検出するため、標準物質のない未知の化合物の同定ができないことが最大の欠点です。この欠点を補い、未知の化合物を同定するために相補的に質量分析装置が用いられます。  近年、海産物から種々の脂溶性ヒ素化合物(アルセノリピッド)が報告されています。これらの中にはアルセノシュガーが結合しているリン脂質も報告されていることから、その生合成についても注目されています。しかしながらそれらの毒性に関しては現在のところ未解明です。ある種の海産物では、無視できない量のアルセノリピッドが含まれていることが報告されていることから、今後体内動態および毒性についての知見の蓄積、生体への曝露および影響評価が必要となります。 (こばやし やよい、環境健康研究センター 分子毒性機構研究室 主任研究員) 執筆者プロフィール ヒ素化合物の多様な化学形態と生体への作用の違いに興味を持ち早十数年。追いかければ追いかけるほど、知れば知るほど謎は深まるばかり。ころころ変化して気難しいけれど、気付いたらどっぷりとその魅力にはまっていました。 目次 環境中のヒ素とその健康影響 妊娠期ヒ素曝露の後発影響に関連するDNAメチル化変化 長期間の無機ヒ素曝露によるリンパ球での細胞老化の誘導 アポトーシス、反発性アポトーシスと脳の発達障害 木漏れ日便り 国立環境研究所公開シンポジウム 2015 「最新技術で迫る環境問題-テクノロジーで環境を読み解く-」開催報告 表彰 新刊紹介 編集後記 関連新着情報 2021年1月8日妊娠期の化学物質曝露が孫世代の健康に 影響を及ぼすメカニズム(筑波研究学園都市記者会、環境省記者クラブ、環境記者会、厚生労働記者会同時配布) 2019年12月16日自然由来のヒ素が土壌に蓄積する仕組みを解明(文部科学記者会、科学記者会、府中市政記者クラブ、筑波研究学園都市記者会、環境省記者クラブ、環境記者会同時配付) 関連記事 2019年2月28日妊娠期ヒ素曝露が次世代および生殖細胞に及ぼす影響の解析特集 化学物質が小児・将来世代に与える健康影響の評価とメカニズムの解析 【研究ノート】 2015年12月28日未来に続く健康を守るために ~環境化学物質の継世代影響とエピジェネティクス~環境儀 NO.59 2015年12月28日ヒ素曝露による世代を越える影響とそのメカニズムを探るInterview 研究者に聞く 2015年12月28日環境中のヒ素と毒性コラム1 2015年12月28日継世代影響のメカニズムを探る ─妊娠期ヒ素曝露による発がんを中心に─Summary 2015年12月28日環境化学物質による次世代・継世代影響研究をめぐって 2015年8月31日環境中のヒ素とその健康影響特集 ヒ素の健康影響研究 2015年8月31日妊娠期ヒ素曝露の後発影響に関連するDNAメチル化変化特集 ヒ素の健康影響研究 【シリーズ先導研究プログラムの紹介:「小児・次世代環境保健研究プログラム」から】 2015年8月31日長期間の無機ヒ素曝露によるリンパ球での細胞老化の誘導特集 ヒ素の健康影響研究 【研究ノート】 2011年12月28日環境化学物質によって次世代に継承される健康影響とエピジェネティック変化の解明【シリーズ先導研究プログラムの紹介: 「小児・次世代環境保健研究プログラム」 から】 全てを見る 閉じる 関連研究報告書 2011年9月30日エピジェネティクス作用を包括したトキシコゲノミクスによる環境化学物質の影響評価法開発のための研究(特別研究) 平成19〜22年度国立環境研究所特別研究報告 SR-94-2011 2006年12月28日化学物質環境リスクに関する調査・研究(終了報告) 平成13〜17年度国立環境研究所特別研究報告 SR-76-2006 2001年8月31日Proceedings of The 1st International workshop on Health Risks of Arsenic Pollution of Drinking Water in South Asia and China (南アジアと中国における飲料水の砒素汚染と健康リスクに関する第1回国際ワークショップ抄録集)国立環境研究所研究報告 R-166-2001 国環研について 研究所概要 組織紹介 研究者紹介 研究所基本文書 研究所マップ 所外実験施設 調達・契約 採用案内 研究所の環境配慮 政策貢献 環境情報メディア「環境展望台」 情報公開 個人情報保護 情報セキュリティ対策 遺伝資源へのアクセスと利益配分(ABS)への対応 研究倫理 研究紹介 研究分野 戦略的研究プログラム 国の計画に基づき中長期計画期間を超えて実施する事業 研究成果 データベース/ツール 研究プロジェクト等のページ 研究計画・研究評価 外部連携 受託業務 委託業務 共同研究 地環研等との共同研究 全国環境研究所交流シンポジウム 環境研究機関連絡会 知的所有権(特許等) 研究シーズ集 国環研ベンチャー 研究試料の有償分譲 国際連携・国際活動 連携大学院 社会との対話・協働 寄附金 広報活動 研究所紹介パンフレット/動画 報道発表 イベント情報 見学について 国立環境研究所一般公開 国立環境研究所公開シンポジウム 刊行物一覧 Webマガジン「国環研View」 環境問題をわかりやすく 小・中・高校生の方へ メールマガジン SNS一覧 このホームページについて ソーシャルメディアポリシー プライバシーポリシー 関連リンク © 2022 National Institute for Environmental Studies -->

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